猫エイズキャリアの猫は、発症しなければ健康な猫と変わらず暮らせます。うつり方と暮らし方の基本をまとめました。
里親募集のページで「猫エイズ陽性」の文字を見て、立ち止まってしまった方もいらっしゃるかもしれません。「エイズ」という言葉の印象は強く、うつるのか、病気になってしまうのか、不安になるのは自然なことです。
保護猫のおうちでは、猫エイズ陽性の「こん」と「うる」が、毎日元気に暮らしています。この記事では、猫エイズキャリアとはどういう状態なのか、うつり方、保護猫のおうちでお願いしている迎え方、発症させない暮らし方の基本をご紹介します。
結論:発症しなければ、健康な猫と変わらず元気に暮らせます
猫エイズキャリアとは、猫エイズのウイルス(FIV)を体の中に持っているけれど、発症していない状態のことです。キャリアであることと、病気になっていることは別です。
発症することなく、ほかの猫と変わらず元気に天寿をまっとうする子がたくさんいます。保護猫のおうちで暮らすこんも、まったく発症しておらず、血液検査はすべて正常値で、毎日元気いっぱいです。
「陽性」の文字だけで候補から外してしまうのは、猫にとっても、これから猫と暮らす方にとっても、もったいないことだと感じています。
うつり方について
猫エイズは、主に深いケンカ傷(咬傷)でうつるものです。人や、ほかの動物にうつることはありません。
そのため、猫同士がケンカをしない環境をつくることが大切です。完全室内飼いで外の猫と接触しないことも、猫エイズキャリアの子を守ることにつながります。
保護猫のおうちでお願いしている迎え方
保護猫のおうちでは、猫エイズキャリアの子を、次のいずれかの形で迎えていただくようお願いしています。
- 猫エイズキャリアの先住猫さんがいるおうち
- こんとうるを一緒に迎えてくださるおうち
- 1匹で迎えてくださるおうち
ケンカによる感染の心配をなくし、猫たちがストレスの少ない毎日を過ごせるようにするための形です。ご家庭の状況に合わせて一緒に考えますので、お気軽にご相談ください。
発症させない暮らし方で大切なこと
猫エイズキャリアの子と暮らすうえで大切なのは、特別な治療よりも、ストレスの少ない毎日と、たっぷりの愛情だと言われています。
完全室内飼いで、ケンカのない環境を
外の猫とのケンカは、猫エイズキャリアの子にとっていちばん避けたいことです。完全室内飼いと脱走防止は、保護猫のおうちの譲渡条件でもあります。柵の付け方は猫の脱走防止|開ける窓には柵が必要な理由をご覧ください。
毎日の様子から、小さな変化に気づく
保護猫のおうちで健康のバロメーターにしているのは、ご飯の食べっぷり、お水をしっかり飲めていること、遊びのハッスル度、毛並みの4つです。
いつもよりご飯を残す、口を気にしている、体重が減ってきた、といった変化があれば、早めにかかりつけの動物病院にご相談ください。体調の変化に早く気づいてあげることが、キャリアの子を守ることにつながります。
定期的な健康診断を
発症していなければ、特別な治療は必要ないと言われています。かかりつけの動物病院で定期的に健康診断を受け、血液検査で様子を見ていくと安心です。
うちで暮らすこんとうる
こん(黒・オス・2〜3歳推定)

体重6.5kgの大柄な男の子で、犬のように賢くて人懐っこく、話しかけるとお返事をしてくれます。うちの猫たちの中でいちばんの平和主義で、怒ったところを一度も見たことがありません。撫でられるのも抱っこも大好きで、程よい距離感でそっと隣に寄り添ってくれます。
猫エイズ陽性ですが、まったく発症しておらず、血液検査はすべて正常値です。猫と暮らすのが初めての方、お留守番が長めの方にも、自信をもっておすすめできる子です。→ こんのページを見る
うる(キジ白・メス・2〜3歳推定)

こんと一緒に暮らしている女の子です。ご飯が大好きで、好き嫌いなく食べてくれます。おてんばで自由奔放な一面があり、それをこんがどっしり受け止めてくれています。→ うるのページを見る
2匹を一緒に迎えていただくこともできますし、それぞれ1匹で迎えていただくこともできます。
譲渡のときにお渡しするもの
正式譲渡の際には、ワクチン接種証明書、ウイルス検査結果証明書、そのほか病院で発行された関連書類を、すべて原本でお渡ししています。腎臓や肝臓などの血液検査の結果もお渡しします。ご希望の方には、コピーを事前にPDFでお送りすることもできます。
よくある質問
人にうつりますか?
うつりません。猫エイズは猫同士の病気で、人やほかの動物にうつることはありません。
陰性の先住猫がいても迎えられますか?
保護猫のおうちでは、キャリアの子は、キャリアの先住猫さんがいるおうち、こんとうるを一緒に、または1匹で迎えていただく形でお願いしています。ご家庭の状況で迷われる場合は、譲渡会の会場やお問い合わせフォームからご相談ください。
発症したらどうなりますか?
発症すると、口内炎や食欲の低下など、体調の変化が出ることがあると言われています。いつもと違う様子があれば、早めにかかりつけの動物病院にご相談ください。日ごろから様子をよく見ておくことが、いちばんの備えです。
医療費は多くかかりますか?
発症していなければ、特別な治療は必要ないと言われています。ワクチンや健康診断など、健康な猫と同じ健康管理を続けていただく形です。
寿命は短いですか?
発症しなければ、ほかの猫と変わらず元気に天寿をまっとうする子がたくさんいます。発症させない暮らし方を続けることが大切です。
キャリアの子を迎えるとき、特別な準備は必要ですか?
用意するものは、健康な猫と同じです。完全室内飼いと脱走防止をしっかり整え、ケンカのない静かな環境をつくっていただければ、特別な準備はいりません。
まとめ
- 猫エイズキャリアは、ウイルスを持っているけれど発症していない状態です
- 発症しなければ、健康な猫と変わらず元気に暮らせます
- 主に深いケンカ傷でうつり、人やほかの動物にはうつりません
- キャリアの子は、キャリアの先住猫さんがいるおうち、こんとうるを一緒に、または1匹で迎えていただいています
- 完全室内飼い・ストレスの少ない毎日・定期的な健康診断が大切です
こんとうるは、京都の保護猫のおうちで里親さんを待っています。気になった方は、まず譲渡までの流れをご覧ください。
こんとうるに会ってみたい方は、譲渡会の会場でお気軽にお声がけください。
次回の譲渡会は12月上旬の予定です。譲渡会当日まで、里親募集は継続しています。
譲渡会に来られない方・ご質問は お問い合わせフォーム から
保護猫のおうちの日々の様子は、Instagramで更新しています。里親募集中の猫たちは、ハグー(全頭掲載)とネコジルシ(一部掲載)にも掲載しています。
本記事は保護猫のおうちが、自宅で預かっている猫たちとの経験をもとに書いています。健康に関することは、かかりつけの動物病院にご相談ください。


